エンジニアが副業・フリーランスで稼ぐときのリアル。メリット・リスクと始め方のステップ
1. 「副業したい」「いつかフリーランスに…」と思ったら
ここ数年で、副業を取り巻く環境は大きく変わりました。
- 副業OKの会社が増えた
- クラウドソーシングやSNSで仕事が見つけやすくなった
- フリーランスエンジニアの年収情報が可視化された
- リモートワークが一般化し、働き方の自由度が上がった
その結果、
- 「本業+αで稼ぎたい」
- 「将来はフリーランスも視野に入れたい」
と考えるエンジニアが急増しています。
しかし、実際にやってみた人の声を聞くと、ポジティブな話だけではありません。
- 「思ったより単価が安くて、ただ疲れただけ」
- 「本業との両立がきつくて、燃え尽きかけた」
- 「契約・税金など、めんどくさいことが多すぎた」
こうした"リアル"も確実に存在します。
この記事では、機械・電気・ITすべてのエンジニアに向けて、
- どんな副業・フリーランスの稼ぎ方があるのか
- メリットと同じくらい、デメリット・リスクにも触れ
- 「現実的に、どんなステップで始めるといいか」
を、かなり具体的に整理していきます。
2. エンジニアの副業・フリーランスにはどんな形がある?
まずは「稼ぎ方の種類」を分解してみましょう。大きく分けると、次の3パターンです。
- 時間を売るタイプ(受託・業務委託)
- 成果物・コンテンツを売るタイプ
- 経験を売るタイプ(コンサル・顧問系)
2-1. 時間を売るタイプ(受託・業務委託)
最もオーソドックスで、イメージしやすい稼ぎ方です。
例
- 機械設計の図面修正、3Dモデル作成
- CAE解析の一部業務
- PLCラダーの小規模改造
- Webアプリ・業務ツールの実装
- インフラ構築・クラウド環境のセットアップ
普段の本業でやっていることを、時間単価 or 固定報酬で請け負う形です。
メリット
- すぐにイメージしやすい
- 「できること」がそのまま仕事になりやすい
- 初心者でも始めやすい
デメリット
- 結局"時間労働"なので、時間がなければ稼げない
- 単価が低い案件を選ぶと「しんどいバイト」と変わらない
- 本業との両立が難しくなりやすい
2-2. 成果物・コンテンツを売るタイプ
時間ではなく「作ったもの」を売るパターンです。
例
- CADテンプレート、設計チェックリスト
- 設備点検チェックシート、マクロ、ツール類
- 技術同人誌、電子書籍、動画講座
- OSSを元にしたサポート・カスタマイズ
一度作ったものを何度も売れる"ストック型"にしやすいのが特徴です。
メリット
- 時間と収入が切り離されやすい
- 上手くいけば副業規模でも大きな収益になる
- 自分の専門性を「資産化」できる
デメリット
- 形になるまでが大変(最初は"ほぼタダ働き"に感じる)
- マーケティング・販売の知識が必要
- 継続的に改善しないと売れ続けない
2-3. 経験を売るタイプ(コンサル・顧問系)
ある程度キャリアを積んだ人向けの稼ぎ方です。
例
- 生産技術の立ち上げアドバイザー
- 電気設備更新の計画・見積もり相談
- スタートアップの技術顧問
- アーキテクチャレビュー
「手はあまり動かさないが、頭を貸す仕事」です。
メリット
- 時間単価が高い
- 体力的な負荷が少ない
- 経験がそのまま価値になる
デメリット
- 信頼・実績がないと仕事が来ない
- 中身が薄いとすぐ見抜かれる
- 責任範囲が広いこともある
3. 副業・フリーランスのメリット/デメリットを冷静に整理する
3-1. メリット
① 収入が増える
毎月+3〜5万円でも、年間にすると大きな差になります。将来的に独立を目指す場合の"試運転"にもなります。
② スキルの幅・実績が増える
本業では触れない技術・業界・フェーズを経験できます。「社名に依存しない、自分個人の実績」が積み上がります。
③ キャリアの"保険"になる
本業が傾いても、別ルートから収入を確保しやすくなります。精神的な安心感にもつながります。
3-2. デメリット・リスク
① 時間と体力が削られる
平日夜や休日が埋まり、生活が圧迫されることも。
② 本業に影響が出るリスク
副業で夜更かししすぎて、本業のパフォーマンスが落ちるケースもあります。
③ 契約・税金など"めんどくさいこと"が増える
- 業務委託契約
- 著作権・守秘義務
- 確定申告
- 経費整理
避けられないので、「リスクをゼロにする」ではなく「許容できる範囲にコントロールする」という感覚が大事です。
4. いきなりガッツリは危険。「小さく始める」鉄則
副業・フリーランスで失敗しがちなパターンは、
最初から張り切って、平日3〜4時間×土日フル稼働の案件を取ってしまうこと。
最初は、
- 月10〜20時間
- 納期プレッシャーが重くない仕事
から始めるのが安全です。
4-1. ステップ0:会社の就業規則を必ず確認
- 副業OKか?
- 届け出は必要か?
- 同業他社NGなどの制限は?
- 就業時間外の労働時間の扱いは?
曖昧なまま始めると、最悪「本業を失う」リスクがあります。
4-2. ステップ1:小さな範囲で試すのもアリ
いきなり知らない会社と契約する前に、
- 知人の小さな困りごとを手伝う
- 社内で「時間外に簡単なツール作りますよ」と声をかける
- 技術ブログや同人誌でアウトプットに慣れる
こうした"小さな場"で試すと、自分の向き不向きが見えやすいです。
4-3. ステップ2:小さめ固定報酬の仕事から
- 単発ツール作成
- 図面修正や検証作業
- 小さなWebサイト制作
「範囲が限定され、ゴールが明確な案件」から入ると安全です。
5. 単価の決め方:いくらで受ければいいのか問題
多くの人がつまずくポイントです。
5-1. ざっくり目安:時給換算で考える
まずは「自分の1時間の値段」を決めるとラクです。
例:年収500万円 ÷ 年間労働時間2,000h ≒ 時給2,500円
副業は営業・事務作業も自分でやるため、本業換算の1.2〜1.5倍 を目安にすると良いです。
→ 時給3,000〜4,000円程度
5-2. 固定報酬の決め方
予想作業時間 × 時給単価 × バッファ(1.2〜1.5倍)
例:10時間 × 3,000円 × 1.3 = 39,000円 → 「4万円でどうでしょうか?」と提案
最初のうちは、安く設定しすぎると負担が増えるケースが多いです。
6. 副業・フリーランスで絶対に押さえておきたい「地雷ポイント」
6-1. 契約書をちゃんと読む(読めないところは人に聞く)
ありがちな落とし穴:
- 著作権の扱いが不明確
- 無償での追加修正を無限に要求される
- 責任範囲が曖昧
最低限チェックすべき項目:
- 仕事の範囲
- 納期と検収条件
- 報酬と支払い条件
- 著作権の帰属
- 守秘義務・競業避止
一般的に注意すべきポイントとして、分からないところは、"なんとなくサインしない" が鉄則です。
6-2. 納期とコミュニケーション
- 本業とバッティングしないか
- 家族の予定を踏まえても無理がないか
- 遅れそうなときの連絡タイミングは?
「ちょっと頑張れば行けるかも」系の納期は危険です。
6-3. 税金・確定申告のざっくり理解
最低限知っておきたいこと:
- 副業収入20万円超で確定申告が必要なケースがある ※詳細は税務署や専門家に確認することを推奨
- 経費にできるもの/できないものがある
- 住民税の通知方法で会社にバレる可能性がある
最初は少額で始め、慣れたら税理士に相談するスタンスでOKです。
7. フリーランスを本格的に目指すなら、押さえておきたい3つの軸
7-1. 「いつでも仕事をくれる人」を増やす
フリーランスは、スキル × 人脈(信頼)の掛け算です。
- 元同僚・元上司
- 技術コミュニティ
- SNSでのゆるい繋がり
これらがそのまま営業になります。
7-2. "自分にしかできない領域"を作る
- 機械 × 制御
- 電気 × 省エネ提案
- Webバックエンド × インフラ
- AI × ドメイン知識
こうした"組み合わせのニッチ"は、単価を上げやすいです。
7-3. 生活防衛資金を貯める
フリーランス初期は収入が不安定になりがちです。
- 生活費の半年〜1年分
- 余裕があると交渉で弱気にならない
- 条件の悪い案件を避けられる
お金の余裕は、精神の余裕です。
8. 副業・フリーランスを「人生を豊かにするもの」にするために
副業・フリーランスは、本業+人生を削ってまでやるものではありません。
- 健康を削る副業は長続きしない
- 家族関係を壊すフリーランスは本末転倒
理想は、
- 本業:安定した収入と適度なやりがい
- 副業:自分の可能性を広げる実験場+お小遣い
- 将来:選択肢としてフリーランスも持てる状態
という "ちょうどいいバランス" です。
9. 小さく試し、続けられる形を探す
エンジニアが副業・フリーランスで稼ぐときのリアルをまとめると、
- 稼ぎ方は「時間を売る」「成果物を売る」「経験を売る」の3パターン
- メリットは大きいが、時間・体力・リスクのデメリットも確実に存在
- いきなり大きく始めず「月10〜20時間」「小さな案件」から
- あくまで一つの考え方として、単価は「本業の時給換算+バッファ」で考える
- 契約・税金・本業との関係など"地雷ポイント"は最初に押さえる
- フリーランスを目指すなら「人脈」「ニッチな強み」「生活防衛資金」
このあたりを押さえつつ、「自分にとって、心地よく続けられる副業の形は何か?」を考えることが、お金・スキル・キャリアすべてを豊かにする近道です。